何もなくて何かあった日

 

 

今日は何もない日。

ここ数日、ちょっと落ち込んでいて、いつものような笑顔で働ける自信がなかったので前々からバイトは休みにしておいた。全然真顔を決め込んで働くこともできるが、そうすると心配されるというより心配してくれる人がたくさんいる職場だから変に心配はかけたくなかった(こんなことは多々あり一過性のものなのですぐに元に戻るとは思う)。

 

昼に起きて先日結婚式でもらった万福のお茶漬けモナカという謎の箱を開け、お茶漬けを食べた(めっちゃ美味しかった)。お香を焚いてバレンタインでもらったチョコとブレンディのカフェオレ、何周もしている村上春樹、録り溜めたバライティ番組、等ダラダラ過ごして外はもう暗くなっていた。去年の8月に購入したアコギを取り出して最近のお気に入りのコードを弾いた。

 

僕は日常的に曲を作ったりする人間ではない。

そして、そんな僕が歌詞を考えたり、曲を作ってみたりするきっかけになるのはいつも負の感情だった。

 

「今ならできるかも」と思い立った。

 

ずっと使いたかったコードと今の心がリンクしていた。なんとかメロディと言葉にして、コードとぶつかってないか、心と言葉が限りなく近くにあるのか何度も確認する。執拗にトイレの場所を探り決死の思いで用を足す犬の様。

 

怒り、嫉妬、悲しみ等の負の感情も一つ曲というカタチになることで無駄なことではなかった。意味のあることだった。と少し気が楽になる。でも今日は作っている途中からすごく苦しくなって汗が止まらなくなった。一旦チョコを食べて落ち着いて、完成した今、ちょっと過呼吸になりつつあるけど、この文章を書けるくらいには大丈夫。

この曲は明後日の名古屋での弾き語りで披露できればと思う。披露というのはなんか違うか、ただ歌えればと思う。

バンドを始めた頃は自分の気持ちを歌うことが恥ずかしくて仕方がなかったけど、今は何とも思わない。これはおそらく昔の自分が正常で、今の僕や、自分の歌を性懲りも無く歌うバンドマンは皆異常だと思う。

異常で結構でしょう。皆さん。

 

 

 

『染める』

 

嫌いになることがない代わりに

僕は好きになることもないのか

いつかの舞台上の光は壁を睨んで

歌を歌うというより怒鳴ってた

最近ちょっと不安になる

僕はこの先も変わらずに歌えるかな

急に居なくなった

帰って行った彼等の様に

疲れて、草臥れてしまうかな

流行りも理不尽も受け入れていかなきゃな

そしたらほら

明日も明後日も歌っていけるもんな

嗚呼だから僕は気づいてないふりをして

そっと染まっていった 素っ空空だな

もう何も言えなくなって僕が見えなくなった

花にも遣れない水が目から溢れたんだ

もう歌も聴かなくなってきつい毒に頼った

じゃあもうどうでも良くなって

君に会いたかった

明日どれだけ辛くたって

生きていく為 部屋を出るよ

愛する君にただ捧げるための言葉を探して

歌いたいよ

 

 

 

『Ollie』

 

湧き上がった歓声

切れなかったゴールテープ

振り返った少年 俯く

「ダメか」引き返す

 

言えなかった本音

曇りゆく可能性

振り返った少年 俯く

冷めた君が居る

 

抗え睨め「運命」など

お利口な優等生

間違って悩んで笑って泣く

後悔と共に行け

翔け少年

 

母さんが怒鳴った声 黙る僕

頷いた分だけ大人になったかい?

腫らした目 それでも出ない声

僕は誰だ?

 

疑え怒れ「運命だ」と

押し殺した優等生

失って悔やんで笑って泣く

諦めと共に行け

闘え少年        

 

どこかでまだ息を潜めた

僕に手を振るまで

 

 

 

最近できた2曲。当分ライブで外すことはないと思うから心の中でなぞってみてほしい。